§底なしティーパーティー§


    1997・12・16
 一年というのは本当に早いもので、今年も気がつけばもう師走である。

うちの紅茶屋も例年のごとく急に慌ただしくなり、紅茶を買いにだけ来店するお客さまが大変多くなる。
 毎年十二月中旬、紅茶好きの皆さんや私のティーセミナーに参加された方を対象に
「クリスマスパーティー」を開催している。

おかげさまで今年もあっという間に定員オーバーになってしまった。
その内容は、まずクリスマスカラー(緑と赤)のストロベリーティーで
お客さまをお迎えする (これをウェルカムティーという)。
私がこの日のためにしか作らない紅茶のアップルシナモンソースの
たっぷりかかったアップルパイを、
クリスマスプディングに見立て、パーティーを演出する。

ティーセミナーの締めくくりの意味もあり、
パーティーセッティングを実演して、楽しんでいただくのである。
そのほかにも、チーズケーキやイギリス伝統のティーフードが
テーブルの中央に盛りつけられる。
もちろん、紅茶は飲み放題。
この日に集まる参加者は、言わずと知れた大の紅茶好きの人たちばかりだ。

しかし、三十人も集まると、大変な事態になる。
パーティーで紅茶を入れるのは、ルールとして主催者であるこの私である。
パーティーに参加していただいた皆さんに、
ごあいさつでも、と思っていても、どうにもならないのだ。

次から次へと空になったティーポットが私の元に返ってくる。
ティーカップ五杯分入ったティーポットが、だ。
初めのうちは、自分の入れたポットの数を「正の字」を書いてチェックしていたが、
「正」が五十を過ぎてから、 無駄だという事がわかった。

五×五十=二百五十杯以上。

さすがの私もあいさつをあきらめ、 紅茶を入れるのに専念するしかなかった。
 参加者は老若男女問わず、ただ紅茶が好きだという事だ。
初めて会った人たちが語らいながら、パーティーを楽しむ。
これが紅茶本来の楽しみ方なのだ。それが主催者の望みでもある。

 今年もそのクリスマスパーティーが間近にせまった。
そろそろ年に一度しか作らない紅茶のアップルシナモンソースを準備しなければ…。


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