![]() |
![]() ![]() ![]() |
---|
2000・2・22 | |
早口言葉じゃないけれど皆でいっしょに、叫んでみよう。 「ヌワラエリア、ヌワラエリア、ヌワラエリア」 すらすらと読めた方は、アナウンサーになれるかもしれない。 いったい「ヌワラエリア」って何?と思うだろう。 実はこれ、スリランカ産の紅茶の銘柄のひとつ。 今回は勝手に私の思い入れだけで、この「ヌワラエリア」という紅茶にスポットを当てよう。 初めに叫んでいただいたように、口が回らないという事で一番注文が入らない。 おまけに同じ紅茶の銘柄の、 ルフナやキャンディという名を付けたお店は 全国にたくさんあるのに、店名にも使われない(私も含めて)。 そんな印象のあるこの「ヌワラエリア」は、世界にたくさんある銘柄の中で私が一番好きな紅茶だ。 確かに口が回らずおぼえにくいが、一度おすすめしたい。 「ヌワラエリア」とは地名であり、 標高一、八〇〇b以上の高地(ハイグロウンティーと呼ぶ)で作られ、 厳しい直射日光、多発する霧の中で、たくましく良質の茶葉に育つ。 特徴は、淡い緑色がかった水色(すいしょく)、味は強く、すがすがしい香りがする。 どことなくせん茶の香りをイメージする。 飲み方としては、特にブラックティーがおすすめ。 是非、ようかん、かりんとうなどの和菓子とのペアリングで 楽しんでいただきたい。 私がなぜ、こんなにこだわっているか? 実は、私が紅茶の製造工程について勉強したのは、 この「ヌワラエリア」のラブキャリー茶園なのだ。 高地で現地の人といっしょに、どろんこになりながら茶摘みをし、 工場に入り、萎凋(いちょう)、揉捻(じゅうねん)、 発酵、乾燥と紅茶ができるまでを勉強した。 急斜面で危険な場所もある。 そんな所にも茶木があり、 現地の人は命づなをつけて茶摘みをする。 また発酵前までは、お茶は緑茶(グリーンティー)であり、 それが六十分ぐらいの発酵でカテキン類(タンニン)が化学変化し、 紅茶が誕生する。今でも口の中でおぼえているくらい、おいしかった。 そんな経緯もあり、特別、おいしく感じる。 パンチのある紅茶なので、初心者や子供には特にすすめないが、 紅茶教室の中級クラスには、間違いなく「ヌワラエリア」をすすめる。 洗脳するわけじゃないが、紅茶通には特に理解してほしい。 紅茶は畑で栽培する農作物であり、 命づなをつけて茶摘みをしている人がいるという事を。 |
〜エッセイの目次へ〜 |
---|
![]() トップページへ |
---|